楽しく生きるブログ

すい臓がんに負けないためのブログです。2013年秋、ステージ4Aのすい臓がんを宣告され、すい臓全摘出、十二指腸・胆管・胆のう・ひ臓全摘出、胃3分1摘出の手術をしました。術後、余命1年の宣告からゲルソン療法と黒焼き玄米茶に出会い、一度は腹膜に転移した癌が消え、現在、4年が経過しましたが、仕事もしながらちゃんと生きています。あなたも希望を捨てず、前向きに生きていきましょう。
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老いるということ、認知症ということ

 私のベッドの向かいのベッドの2人目の住人は、大西さん(仮称)という方でした。前住人の武田さんが、FOLFIRINOX(フォルフィリノックス)の治療を終え退院されてから、すぐ翌日には入ってこられた方でした。

 

 奥さんの声から、かなり年配の方だと思っていました。

急性膵炎とか医者は言っていましたが、はっきりはわからないとも言っていました。いつも医者って、そういうんですよね。最後には、「はっきりはわからないが…」と言葉を濁す。これって、護身術のつもりですかね? 聞くたび、一瞬「イラッ」と来る言葉ですよね。

 とにかく、彼のおなかにはかなり腹水がたまっているようで、緊急にそれを抜かないと腹の痛みがとまらないそうでした。そしていきなり、ブスッと、まあ、こんな音が聞こえるわけではないのですが、そんな感じで、腹に針を刺して、腹水を抜き始めたようです。その量、1.5リットルとのこと。その後、大西さんの姿を見て、え~こんな小さいじいさんの腹から1.5リットルも水が出たの?と驚いてしまいました。

 

 その奥さんが看護師さんにたちに説明するに、大西さんは少しだけ認知症だという。そして耳も聞こえづらいという。

 

この大西さんが、いろいろとその後、この病室に巻き起こした事件…

 

認知症の方というのは、自分に都合のいい事だけ覚えている。なんて、よく聞きますよね。大西さん、こんなことがありました。

彼が入院して2日目ぐらいのときでした。

朝早く、担当の若い内科医が様子を見に来て、大西さんに元気に話し掛けていました。

「どう、元気!」って大きな声で医者が言う

大西さん「は~?」と、いかにも聞こえないという感じで答えている。

医者は、さらに大きな声で言う「おなかはどう、痛い?」

「痛くねえッ」と、これまたでっかい声で、大西さんが答える。

そして、続けて大西さんが言う。「今日、退院かい?」

それに担当の内科医が「いや~もう少し様子見てね、また顔出すよ」と言って、病室を出ていった。

後でわかったことだが、これがいけなかった。多分、この若い内科医は、いつもこんなことを入院患者に言う癖がついているのだろう、、、これがよくなかった。

午前10時を回ったころ、大西さんの奥さんが来た。

いろいろと話している。奥さんは、利尿剤の効きが気になるのか、「おしっこは?」を連発していた。

奥さん「おしっこは?」

大西さん「出ねえ」

奥さん「何回行った、おしっこ」

大西さん「出ねえ」

奥さん「おしっこは?」

大西さん「出ねえ」

と、こんな感じの会話、会話なんだろうね~会話のようなものが10分も続くのだ。どうも、奥さんも少し認知症気味じゃないかと感じました。

 

そこに看護師が来た。どうも、この二人では今後の話が難しいと判断したのか、家族のことを聞いていた。

「奥さん、息子さんがいるんですよね?」

奥さん「ええ、うちの息子は○○会社ですけど…」と、誰も聞いてないのに、地元の有力企業の名前を言う。

看護師「ヘェ~すごいじゃん。○○会社なんだ~」と、看護師もさすがプロです。奥さんの求めている返事をちゃんと返します。

「でね、奥さん、息子さんは来られますかね、今後のことについて先生とも話し合いをしていただきたいんですけど」と看護師が続ける。

奥さん「いや~○○会社は忙しいもんでね…夜遅くか、土日もどうかな~」と悩んでいる様子。

看護師「それじゃあ、お嫁さんは来られないかね?」

奥さん「嫁はね、歯科医でね、歯科医、歯医者さんなんだわい」、いや、誰もそんなことは聞いてないんだけど…。と思いつつ、私は、不謹慎だとは思いつつ、なんかおかしくなってきて、クスクスとふとんをかぶって笑っていた。こんなもんなんだろうな~と思った。

看護師も、この奥さんとの話も要を得ないながら、何とか、息子か嫁を病院によこしてくれと、そして来たら必ず看護師に伝えてほしいと一生懸命、奥さんに話していた。

 

 

ここは田舎です。地元の○○会社というのは、若者が外にどんどん出ていく過疎の地で、唯一、外から若者が入社してくれる会社なんです。それに嫁が歯科医だというのは、もう鼻が高くて高くて、折れそうなぐらい鼻が高くなるんでしょうね。もうそれだけで集落で一目置かれるぐらい、奥さんはそれが生きがいなのかもしれないですね~。

「トンビがタカを生む」という言葉は、平凡な両親から優秀な子が生まれたという、ことわざらしいですが、どうもそうとは言えなくて、同じトンビなのに、父親だけがバカにされて、そんなタカのような子供を産んだ母親は讃美されているかのような感じに受け取られていないですか?…ねえ

 

 

さて、お昼も過ぎたころ

奥さん、「そろそろ私、帰るね」と言ったときです。

大西さん「いや、俺も帰るで、着替え出せ。」と言い出したんです。

それからが大変でした。

奥さんが「そんな今日なんか退院できないよ。先生、退院していいって言ってないでしょう」とさとすも、大西さんは

「今朝、聞いたら、顔出すって言ってたに、来ねえじゃねえか」と、担当医が軽く流して言った「顔出す」を覚えていました。

最後には、大西さん、興奮してしまって、怒鳴りちらし出したんです。

「ふざけるな、野郎、バカにしやがって」と担当医をののしり出したんです。

いろいろ大声での二人の会話らしきものをまとめてみると。

大西さんの言い分は、こうでした。顔出すと言っておいて、顔を出さないということは、もう退院していいんだと、判断した。顔を出さない、医者が悪い。俺は帰る。

もうこうなると、奥さんでは抑え切れずに、看護師さんを呼ぶはめになってしまいました。

看護師2人がかりの説得に、さすがの大西さんも、折れたのか、理解したのか、わかりませんが、じっとしていました。

奥さん、やっと帰ることができました。

 

 

夕食が終わり、いつものように大西さんは、箸ひとつつけません。何も食べないんです。

看護師が「大西さん、食べないと退院できないよ」なんて言っても

大西さん「いや、こんなに食えねえ、何も要らねえ」とつっ返してしまいます。

奥さんの話によると、毎日、酒ばかり飲んでいるとのことで、ご飯は食べない人らしいです。そんな人、本当にいるんですね。

 

しばらくして、「痛え、腹痛え」という大西さんの声がしました。

彼には、ナースコールのボタンなんか関係ないんです。そんなものあることも理解していない。

大声で怒鳴るだけです。「腹が痛え~」と、何度も何度も怒鳴るんです。いい加減、うるさくて、こっちも腹が立ってきたころ、、、通りがかった看護師が対応してくれました。

「トイレに行く?」と言われて、部屋にあるトイレに看護師に連れて行かれました。

彼もトイレぐらいまでは自力で歩けるようですが、高齢者独特の歩幅10センチぐらいの完全なすり足歩行です。これはついていないと、危険だろうと思いました。

看護師は何度も何度も大西さんに言いました。

「大西さんね、トイレのときは、このボタンを押して、これね、このボタン、これをおすと看護師が来るからね、ちゃんとトイレまで連れていってくれるからね」と

 

 

午後8時過ぎ、すり足の音がしています。大西さんです。彼は、ナースコールを押さずに自分でトイレに行きだしたんです。大丈夫かな~と、様子を見ていましたが、結構しっかり歩いているので、まあいいかと思っていたんです。

彼がトイレに入った。そのトイレはもちろん、私たちも使用しますので、気にはなります。

まず、カギを掛けた音がしません。ということは、カギも掛けずに入っているわけです。気をつけないと、そのままドアを開けてしまうことになっちゃいます。

20分以上たって、彼は出てきましたが、水洗の音がしません。流さないままだということです。

その後、通りがかりの看護師がその様子に気づいて、トイレを見たら、彼女いわく「ビジャビジャ」だったので、私が掃除しておきました。と別の看護師に伝言…。やれやれ。

 

さて、おやすみの時間です。

大西さんは、またトイレに入ってしまいました。10分、20分たっても出てきません。

仕方ないので、外来用のトイレまで点滴を引きづりながら行ってきました。この病室の他の患者さんたち全員、そんな感じで迷惑千万…なんですけどね。

 

 

午前2時、目が覚めて、トイレに行くと

大西さんが、座っていた。。。。

グッと腹が立ってしまったが、いろいろ言ったところで何もならない。私は、無言でバタンとドアを閉めて、また外来用のトイレまでとぼとぼと行きました。その姿を看護師が見て、慌てて病室に向かっていました。

しかし、私が戻ってきたときにも、大西さんのベッドには人かげはなく、まだ彼はトイレに座っている状態でした。別の患者さんの話しによると、結局は、大西さんは朝までトイレに座っていたようでした。

 

そんな事件を連発していた大西さん、さすがに私たち同室の入院患者も、そして看護師たちもいらだちが隠せないほど、ひどくなってきたとき、

彼は、別の病室にベッドごと移動させられていきました。

 

そう言えば…息子さんやお嫁さんは一度もこの病室には来なかったんです。

地元の優良企業○○会社にお勤めの息子さんも、歯科医の嫁も一度も来なかった。

 

翌日、大西さん、どこへ行ったんだろうと、ちょっと気になって探してみたら、ナースステーションのまん前の病室です。その病室のトイレの横のベッドに彼が座っているのを見つけました。その病室は、一番気をつけていないといけない患者さんが入っているところです。ここなら、目についていいな、なんて人ごとながら、思ってしまいました。

 

大西さんの奥さん、またここの病室でも、看護師たちに息子と嫁の自慢をしているんだろうな~と思いました。

大西さんは、私のおやじより一つ下の年齢でした。

おやじも、認知症が進み、病院に入院しているそうです。時にあばれるときがあると、両腕をベッドに固定されることがあるそうです。きっと大西さんどころじゃないんですよね。自分のおやじだけが、まともで他人のじいさんだけが、ぼけているわけじゃないんですもんね。

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